お盆が終わりました。今年は7月が涼しかった分、梅雨明けの後の急激な暑さが堪える夏になりましたね。それに加えてコロナですからバタバタとしているうちに過ぎていってしまった、というのが正直な印象です。お盆はご存じの通り、ご先祖の仏さまがあの世から帰っていらっしゃるといわれています。13日から15日にかけて、当山ではその仏さまをお寺に迎えにきてお参りし、自宅に連れて帰って、そこに住職がお参りしてご供養する、いわゆる棚経を例年行っておりますが、今年は感染拡大防止の観点から、新盆の仏さまをお迎えになる檀家さんのみとしました。いつもよりも少しゆっくりと施主さまとお話ができ、仏さまの生前のお話、コロナ禍でのお仕事の現状、「ホタルのポスト」のお手紙を書くのに苦労されたこと、政治のこと、因と縁のはなし、など駆け足で修行するだけでは聞けない広い範囲のお話ができてこれはこれでよかったのではないかと思いました。正直なところ少し心配していた本堂へのお参りも、例年と同じか、少し多いくらいの檀家さんがお参りしてくださったようで、皆さんのご先祖への気持ちが伝わってきてとても嬉しく、有難いものを見せていただいた気が致しました。先祖を想う気持ちは、即ち生きている人々を想う気持ちと同じです。そのあたたかいこころが良い縁を紡ぎ、私たちの人生を導いてくださるのだと思います。そしてまた、手を合わせて思うのです。「ご先祖さま、ありがとう」と。